高額介護サービス費。上限額と申請方法
1か月の介護保険の自己負担が上限を超えた分が戻る制度。所得区分別の月額上限額、対象になる費用とならない費用、申請の流れ、2年の時効、負担限度額認定・合算制度との使い分けを前橋市と厚生労働省の一次情報で整理した。
介護の自己負担には、1 か月あたりの上限があります。上限を超えて払った分は、高額介護サービス費として市から戻ってきます。ただし戻るのは介護保険の自己負担部分だけで、食費や居住費は別の制度の担当です。
今やること 3 つ
基本情報 (前橋市の場合)
| 項目 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 戻るもの | 1 か月の介護保険の自己負担が上限を超えた分 | 前橋市 |
| 判定の単位 | 世帯単位または個人単位 | 前橋市 |
| 申請のきっかけ | 上限を超えた月があると市からお知らせと申請書が郵送される | 前橋市 |
| 2 回目以降 | 一度申請すると以降は申請口座へ自動的に払い戻される | 前橋市 |
| 受付窓口 | 市役所2階 介護保険課37番窓口、大胡・宮城・粕川・富士見の各支所市民サービス課。郵送も可 | 前橋市 |
| 担当 | 福祉部 介護保険課 給付適正化係 (電話027-898-6157) | 前橋市 |
| 請求できる期間 | 権利を行使できるときから2年 (介護保険法第200条) | 厚生労働省 |
- 1 か月に支払った利用者負担が世帯単位または個人単位の上限額を超えたとき、超えた分が市から払い戻されます 出典: 前橋市「高額介護サービス費の支給」
- 該当する人には市からお知らせが郵送されます。自分で毎月計算して請求する制度ではありません 出典: 前橋市「高額介護サービス費の支給」
- 保険給付を受ける権利は、権利を行使できるときから2年で時効により消滅します 出典: 厚生労働省 法令等データベース 介護保険法第200条
1 か月の上限額
上限額は所得段階で決まります。同じ世帯に65歳以上の人が複数いる場合は、その中でいちばん高い課税所得で区分が決まる点に注意が必要です。
| 世帯の条件 | 上限額 (月) | 出典 |
|---|---|---|
| 生活保護を受給している人 | 世帯15,000円 | 前橋市 |
| 世帯全員が市民税非課税で、老齢福祉年金を受給している人 | 個人15,000円 / 世帯24,600円 | 前橋市 |
| 世帯全員が市民税非課税で、公的年金収入額とその他の合計所得金額の合計が年額80万円以下の人 | 個人15,000円 / 世帯24,600円 | 前橋市 |
| 世帯全員が市民税非課税で、上記に該当しない人 | 世帯24,600円 | 前橋市 |
| 市民税課税世帯で、下記に該当しない人 | 世帯44,400円 | 前橋市 |
| 市民税課税世帯で、課税所得380万円以上690万円未満の65歳以上の人がいる世帯 | 世帯93,000円 | 前橋市 |
| 市民税課税世帯で、課税所得690万円以上の65歳以上の人がいる世帯 | 世帯140,100円 | 前橋市 |
- 世帯93,000円と世帯140,100円の区分は、令和3年8月に新設されたものです 出典: 前橋市「高額介護サービス費の支給」
- 見直しの対象になるのは、介護サービスの利用者または同一世帯に課税所得380万円以上の65歳以上の人がいる場合です 出典: 厚生労働省「令和3年8月利用分から高額介護サービス費の負担限度額が見直されます」
- 「個人」の上限は本人が支払った分だけで判定し、「世帯」の上限は同じ世帯の人が支払った分を合計して判定します 出典: 前橋市「高額介護サービス費の支給」
対象になる費用・ならない費用
「介護にかかったお金」がすべて対象になるわけではありません。ここを取り違えると、戻ると思っていた額が戻りません。
| 対象になる | 対象にならない |
|---|---|
| 世帯員全員が 1 か月に利用したサービスの利用者負担額 (負担割合に応じた部分) | 福祉用具購入費、住宅改修費の利用者負担分 |
| 居宅サービス・施設サービス・地域密着型サービスの自己負担分 | 食費、居住費 (滞在費)、日常生活費など保険対象とならない費用 |
| 介護予防サービスの自己負担分 (高額介護予防サービス費) | 要介護度別の支給限度額を超えて利用したサービスの費用 |
- 対象・対象外の区分は 前橋市「高額介護サービス費の支給」に掲載されています
- 対象になるのは「サービス費用の1割、2割または3割」にあたる利用者負担額です 出典: 前橋市「高額介護サービス費の支給」
- 食費と居住費は 負担限度額認定のほうで軽減します。施設に入所している場合、この 2 つの制度を混同しやすい点に注意してください 出典: 前橋市「介護保険負担限度額認定について」
- 支給限度額を超えた分は自己負担になります。限度額は要介護度ごとに決まっています 出典: 前橋市「利用者負担と支給限度額」
申請の流れ
併用できる制度・使い分け
介護の負担を下げる制度は複数あり、対象になる費用が重なりません。どれが自分に当たるかを分けて確認します。
| 制度 | 対象になる費用 | 判定の期間 | 申請 |
|---|---|---|---|
| 高額介護サービス費 | 介護保険サービスの自己負担 | 1 か月ごと | 初回のみ (以降自動) |
| 負担限度額認定 | 施設・ショートステイの食費と居住費 | 8月から翌年7月のサイクル | 毎年必要 |
| 高額医療・高額介護合算制度 | 医療保険と介護保険の自己負担の合計 | 毎年8月から翌年7月の1年間 | 該当時に市から申請書 |
| 障害者控除対象者認定 | 所得税・住民税の所得控除 | 年ごと | 認定書の交付申請 |
- 負担限度額認定は毎年の申請が必要で、認定証を施設に提示することで軽減されます 出典: 前橋市「介護保険負担限度額認定について」
- 合算制度は医療保険と介護保険の 1 年間 (毎年8月から翌年7月) の自己負担合計が限度額を超えた場合に払い戻される制度です。食費や居住費 (滞在費) は合算の対象になりません 出典: 前橋市「高額な費用負担や所得の低い人への軽減」
- 合算制度で、自己負担限度額を超える額が500円以下の場合は支給の対象になりません 出典: 前橋市「高額介護合算療養費」
- 高額介護サービス費で戻った額は、合算制度の自己負担額から差し引いて計算されます 出典: 前橋市「高額介護合算療養費」
合算制度の年間限度額 (70歳から74歳の人がいる世帯・国民健康保険)
| 所得区分 | 医療保険と介護保険の年間限度額 | 出典 |
|---|---|---|
| 現役並み3 (所得690万円以上) | 212万円 | 前橋市 |
| 現役並み2 (所得380万円以上690万円未満) | 141万円 | 前橋市 |
| 現役並み1 (所得145万円以上380万円未満) | 67万円 | 前橋市 |
| 一般 | 56万円 | 前橋市 |
| 低所得者2 (市町村民税非課税) | 31万円 | 前橋市 |
| 低所得者1 | 19万円 | 前橋市 |
- この表は国民健康保険に加入している世帯の限度額です。加入している医療保険 (被用者保険・後期高齢者医療制度) によって窓口が変わります 出典: 前橋市「高額介護合算療養費」
- 70歳未満の人がいる世帯には別の区分表が適用されます 出典: 前橋市「高額介護合算療養費」
- 合算制度の申請書は、該当した場合に市役所から世帯主宛に送付されます。受付は市役所2階22番窓口と各支所市民サービス課です 出典: 前橋市「高額介護合算療養費」
通知が来ないときに確認すること
- 上限を超えていない可能性 — 対象外の費用 (食費・居住費・日常生活費・福祉用具購入費・住宅改修費・限度額超過分) を除いた自己負担額で判定されます 出典: 前橋市「高額介護サービス費の支給」
- 負担割合が想定と違う可能性 — 自己負担の割合は前年の所得で決まり、毎年7月中に送付される「介護保険負担割合証」に記載されます。適用期間は8月1日から翌年7月31日までです 出典: 前橋市「介護サービス利用時の負担割合」
- 保険料の滞納があると扱いが変わる — 保険料の滞納に伴う給付制限 (給付額の減額措置) を受けている場合は、減額措置が優先されます 出典: 前橋市「介護サービス利用時の負担割合」
- 世帯の課税状況の確認 — 月の初日における世帯の課税状況で判定されるため、世帯分離や転入転出があった月は区分が変わります 出典: 前橋市「高額介護サービス費の支給」
- 相談先 — 判断に迷うときは前橋市 介護保険課 給付適正化係 (電話027-898-6157) と、担当のケアマネジャーに確認してください 出典: 前橋市「高額介護サービス費の支給」
費用の負担がそれでも重いとき
- 社会福祉法人等による利用者負担軽減 — 収入等が低く特に生計が困難な人について、訪問介護・通所介護・短期入所生活介護・特別養護老人ホームなどの利用者負担が軽減される制度があります。市への申請が必要です 出典: 前橋市「高額な費用負担や所得の低い人への軽減」
- 災害による被害を受けたとき — 住宅などに著しい損害を受けた場合や収入が著しく減少した場合、利用料が軽減または免除される場合があります。介護保険課給付適正化係が相談先です 出典: 前橋市「高額な費用負担や所得の低い人への軽減」
- 一時的に支払いが難しいとき — 無利子で貸付を受けられる場合があります。前橋市社会福祉協議会が窓口です 出典: 前橋市「高額な費用負担や所得の低い人への軽減」
- 生活保護を受けている人 — 介護保険料や利用料も保護費から支給されます。詳しくは社会福祉課へ 出典: 前橋市「高額な費用負担や所得の低い人への軽減」
- 施設の費用の内訳から見直したいとき — 施設の費用が高いのか普通なのか分からないに、月額を 4 つに分けて確認する手順をまとめています
よくある質問
Q. 自分で計算して申請しないと戻ってこないのですか。 A. 上限を超えた月があると、市からお知らせと申請書が郵送されます。初回だけ口座情報を添えて申請すれば、以降は自動的に払い戻されます。
Q. 施設に入っています。食費と居住費も戻りますか。 A. 高額介護サービス費では戻りません。食費と居住費は負担限度額認定という別の制度で軽減します。施設に入所している場合は、2 つの制度を並行して確認してください。
Q. 同じ世帯に65歳以上の家族が 2 人います。上限はどうなりますか。 A. 世帯単位の上限が適用され、世帯員全員が 1 か月に支払った利用者負担額を合計して判定します。市民税課税世帯では、世帯にいる65歳以上の人の課税所得で区分が分かれます。
Q. 何年前の分まで請求できますか。 A. 保険給付を受ける権利は、権利を行使できるときから2年で時効により消滅します。心当たりがある月については、早めに前橋市介護保険課に確認してください。
Q. 住宅改修や福祉用具の自己負担は対象になりますか。 A. 対象になりません。福祉用具購入費と住宅改修費の利用者負担分は、高額介護サービス費の対象外です。
Q. 支給限度額を超えて使った分はどうなりますか。 A. 全額自己負担となり、高額介護サービス費の対象にもなりません。ケアプランを作る段階で、限度額の範囲を担当のケアマネジャーと確認しておくと超過を避けやすくなります。
関連ページ
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- 親の介護、何から始める?最初の 1 週間でやること
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出典
- 前橋市「高額介護サービス費の支給」(2026年9月25日閲覧) https://www.city.maebashi.gunma.jp/kenko_fukushi/2/4/1/11739.html
- 前橋市「介護保険負担限度額認定について(施設入所者等の食費・居住費の負担軽減)」(2026年9月25日閲覧) https://www.city.maebashi.gunma.jp/kenko_fukushi/2/4/1/11740.html
- 前橋市「高額な費用負担や所得の低い人への軽減」(2026年9月25日閲覧) https://www.city.maebashi.gunma.jp/kenko_fukushi/2/4/3/11729.html
- 前橋市「利用者負担と支給限度額」(2026年9月25日閲覧) https://www.city.maebashi.gunma.jp/kenko_fukushi/2/4/3/11730.html
- 前橋市「介護サービス利用時の負担割合(介護保険負担割合証の発行)」(2026年9月25日閲覧) https://www.city.maebashi.gunma.jp/kenko_fukushi/2/4/1/11741.html
- 前橋市「高額介護合算療養費(国民健康保険)」(2026年9月25日閲覧) https://www.city.maebashi.gunma.jp/soshiki/kenko/kokuminkenkohoken/gyomu/3/6/41607.html
- 厚生労働省 法令等データベース「介護保険法」第200条 (2026年9月25日閲覧) https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82998034&dataType=0&pageNo=5
- 厚生労働省「令和3年8月利用分から高額介護サービス費の負担限度額が見直されます」(2026年9月25日閲覧) https://www.mhlw.go.jp/content/000334526.pdf
よくある質問
- Q.高額介護サービス費は自分で計算して申請しないと戻ってこないのですか。
- 上限を超えた月があると、市からお知らせと申請書が郵送されます。初回だけ口座情報を添えて申請すれば、以降は自動的に払い戻されます。
- Q.施設に入っています。食費と居住費も戻りますか。
- 高額介護サービス費では戻りません。食費と居住費は負担限度額認定という別の制度で軽減します。施設入所中は2つの制度を並行して確認してください。
- Q.同じ世帯に65歳以上の家族が2人います。上限はどうなりますか。
- 世帯単位の上限が適用され、世帯員全員が1か月に支払った利用者負担額を合計して判定します。市民税課税世帯では、世帯にいる65歳以上の人の課税所得で区分が分かれます。
- Q.何年前の分まで請求できますか。
- 保険給付を受ける権利は、権利を行使できるときから2年で時効により消滅します。心当たりがある月については早めに前橋市介護保険課に確認してください。
- Q.住宅改修や福祉用具の自己負担は対象になりますか。
- 対象になりません。福祉用具購入費と住宅改修費の利用者負担分は高額介護サービス費の対象外です。
- Q.支給限度額を超えて使った分はどうなりますか。
- 全額自己負担となり、高額介護サービス費の対象にもなりません。ケアプランを作る段階で限度額の範囲を担当のケアマネジャーと確認しておくと超過を避けやすくなります。
出典
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