老老介護が限界。母が父を介護できなくなったら
老老介護で介護する側が限界に近いサインと、ショートステイ・特別養護老人ホームの申込み・費用軽減制度の使い方を整理
母が「もう無理」と言った。父の介護を何年も一人で担ってきた母の口から出た一言に、何と返せばいいのか分からない。母を責めているのは母自身で、それを止められるのは今、外から気づいて動ける人が関わる段階です。
今やること 3 つ
- 在宅介護が現実的かを、ケアマネジャーと数字で確認する。母の体力・睡眠時間を最優先の条件として伝える
- ショートステイを定期的にケアプランに組み込む。まず母が休める日をカレンダーに固定する
- 父が要介護3以上なら特養に申し込む。申込みと同時に、待機の間の暮らし方も決めておく
「限界」のサインをチェックする
母に直接「つらい?」と聞いても、「大丈夫」と返ってくることがあります。次のサインが複数当てはまる場合は、母の言葉を待たずに、早めにケアマネジャーか地域包括支援センターに相談する目安にしてください。
| サイン | 具体例 |
|---|---|
| 睡眠 | 父の夜間徘徊・トイレ介助で、母の睡眠が十分に取れない日が続く |
| 体調 | 母自身の通院・服薬が後回しになっている |
| 孤立 | 母が近所付き合いや趣味の集まりに出なくなった |
| 発言 | 「もう無理」「いつまで続くか分からない」を繰り返す |
| 介助量 | 父の移乗・入浴介助に母 1 人では体格的に対応できなくなった |
まず動かすのは 2 つ: ショートステイと特養の申込み
父の要介護度に関わらず着手できることと、要介護3以上でないとできないことを分けて、早めに動かします。
| ショートステイ | 特別養護老人ホーム (特養) | |
|---|---|---|
| 対象 | 要支援1・2、要介護1〜5 出典 | 原則要介護3以上 (要介護1・2はやむを得ない事由があれば特例) 出典 |
| 使える時期 | 認定を受けていれば利用できる (事業所の空きにより時期は異なる) | 申込みから入所まで待機期間あり |
| 利用の計画 | 日数を決めてケアプランに組み込める (連続 30 日まで 出典) | 入所が決まるまで利用できない |
| まず何をするか | ケアマネジャーに相談 | 施設ごとに申込み方法・受付条件を確認 |
要介護3未満、あるいは特養がまだ現実的でない場合は、ショートステイを使うかどうかを、ケアマネジャーと一緒に検討します。
ショートステイの使い方
- 対象: 要支援1・2、要介護1〜5の認定を受けた人。連続利用は 30 日まで 出典
- 利用者負担 (併設型・多床室の場合、1割、1日あたりの目安): 要支援1 451円、要支援2 561円、要介護1 603円〜要介護5 884円。単独型・個室・ユニット型は額が異なる。食費・滞在費・理美容代などは別途負担 出典
- 食費・滞在費は負担限度額認定の対象になる場合がある (世帯の課税状況・本人の所得・預貯金等の基準を満たす場合) 出典
- 利用日数は認定の有効期間全体のおおむね半数を超えないよう、ケアマネジャーが調整する。前橋市では特に必要な場合、理由の申出で超えることもできる 出典
特養に申し込む: 要介護3以上が原則
-
対象: 原則要介護3以上。要支援1・2は利用できず、新規入所の要介護1・2はやむを得ない理由がある場合を除き対象外 出典
-
前橋市の案内でも新規入所は原則要介護3〜5 出典
-
要介護1・2でも、認知症の症状が頻繁にある、家族による深刻な虐待が疑われる、単身または同居家族が高齢・病弱で支援が得られずかつ地域の介護サービスや生活支援の供給も不十分であるなど「やむを得ない事由」があれば特例入所の対象になる (群馬県特別養護老人ホーム入所等指針) 出典
-
施設の受付時に「すぐに入所したい」と伝えて申し込んだ人については、入所の順番は申込順ではなく、要介護度や家族の状況などを点数化した合計点の高い順に決まる 出典
-
前橋市の目安 (30日・多床室・施設サービス費 1割負担分): 要介護1 17,670円〜要介護5 26,130円。このほかに居住費・食費がかかる 出典
-
前橋市は市内特養の待機者数・空き情報を公表しています 出典
-
同じ人が複数の施設 (または部屋の種類) に申し込んでいる場合は、それぞれ別に待機者として数えられます 出典。複数の施設に申し込めるかどうかは施設ごとに確認してください
-
待機が長引く前提で、施設の種類を老健・グループホームまで含めて比較しておくと、特養の空きが出るまでの選択肢が増えます
待機の間・入所後の費用を抑える
- 世帯の課税状況・本人の所得・預貯金等の基準を満たすと、負担限度額認定で特養・ショートステイの食費と居住費の上限が下がります 出典
- 食費は、段階によって 1 日 300円 (第1段階) 〜1,420円 (第3段階②) に下がります。認定を受けないと、国が定める基準費用額 (食費は1日1,545円) を負担します 出典
- 申請は前橋市 福祉部 介護保険課 (本庁舎2階37番窓口、027-898-6159) で、毎年更新が必要です 出典1 出典2
母 (介護する側) を守る視点で相談する
- 相談先は父の担当ケアマネジャーと、地域包括支援センター。
- 「父をどうするか」だけでなく「母の睡眠・通院・気分の落ち込みが心配」と、母を主語にして伝えると、支援の組み立てが変わります
- 母自身の心身の不調が続く場合は、かかりつけ医に相談してください。
前橋市の窓口
- 担当センターの調べ方と一覧は地域包括支援センターに相談できること・できないことにまとめています
- 負担限度額認定の申請窓口は前橋市 福祉部 介護保険課 (本庁舎2階 37番窓口、027-898-6159) です 出典
よくある質問
Q. ショートステイと特養、どちらを先に動かすべきですか。 A. 判断はケアマネジャーと一緒に行うことですが、ショートステイは認定を受けていれば利用でき、特養は申込みから入所まで待機があります。
Q. 父が要介護1・2でも特養に入れますか。 A. 原則は要介護3以上ですが、認知症の症状や家族の状況などの「やむを得ない事由」があれば特例入所の対象になることがあります。ケアマネジャーまたは施設に相談してください。
Q. 母が「まだ大丈夫」と拒否したらどうすればいいですか。 A. 本人の意思は尊重しつつ、地域包括支援センターに「様子だけでも見てほしい」と相談することはできます。判断や説得の方法は地域包括支援センターに相談してください。
Q. 前橋市外に住んでいる場合はどうなりますか。 A. 申請先・窓口の名称は市区町村ごとに異なります。お住まいの市区町村の介護保険担当課、または地域包括支援センターに確認してください。
関連ページ
出典
- 厚生労働省 介護サービス情報公表システム「短期入所生活介護 (ショートステイ)」(2026年9月24日閲覧) https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group12.html
- 厚生労働省 介護サービス情報公表システム「介護老人福祉施設 (特別養護老人ホーム)」(2026年9月24日閲覧) https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group14.html
- 前橋市「ショートステイ (短期入所生活介護・短期入所療養介護)」(2026年9月24日閲覧) https://www.city.maebashi.gunma.jp/kenko_fukushi/2/4/2/11753.html
- 前橋市「特別養護老人ホーム」(2026年9月24日閲覧) https://www.city.maebashi.gunma.jp/kenko_fukushi/2/4/1/11747.html
- 前橋市「特別養護老人ホームの待機者数・空き情報」(2026年9月24日閲覧) https://www.city.maebashi.gunma.jp/kenko_fukushi/2/7/11807.html
- 群馬県「群馬県特別養護老人ホーム入所等指針」(2026年9月24日閲覧) https://www.pref.gunma.jp/uploaded/attachment/643999.pdf
- 前橋市「介護保険負担限度額認定について」(2026年9月25日閲覧) https://www.city.maebashi.gunma.jp/kenko_fukushi/2/4/1/11740.html
- 前橋市「介護保険課の窓口案内」(2026年9月24日閲覧) https://www.city.maebashi.gunma.jp/kenko_fukushi/2/2/31914.html
- 厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1506 令和8年8月からの特定入所者介護(予防)サービス費の見直し等」(2026年9月27日閲覧) https://www.mhlw.go.jp/content/001706483.pdf
- 厚生労働省 法令等データベース「介護保険法」第27条第8項 (2026年10月3日閲覧) https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82998034&dataType=0&pageNo=1
よくある質問
- Q.ショートステイと特養、どちらを先に動かすべきですか。
- 判断はケアマネジャーと一緒に行うことですが、ショートステイは認定を受けていれば利用でき、特養は申込みから入所まで待機があります。
- Q.父が要介護1・2でも特養に入れますか。
- 原則は要介護3以上ですが、認知症の症状や家族の状況などの「やむを得ない事由」があれば特例入所の対象になることがあります。ケアマネジャーまたは施設に相談してください。
- Q.母が「まだ大丈夫」と拒否したらどうすればいいですか。
- 本人の意思は尊重しつつ、地域包括支援センターに「様子だけでも見てほしい」と相談することはできます。判断や説得の方法は地域包括支援センターに相談してください。
- Q.前橋市外に住んでいる場合はどうなりますか。
- 申請先・窓口の名称は市区町村ごとに異なります。お住まいの市区町村の介護保険担当課、または地域包括支援センターに確認してください。
出典
数字・要件は以下の一次情報で確認しています。最新の内容は各公式ページでご確認ください。